ビールスタイル別ペアリングのご紹介②

ビールと食べ物のペアリング
スポンサーリンク

IPA

●色
・琥珀色

●味・風味の特徴
・大量に用いるホップ由来の強い香りと苦味を、ベースにあるモルト由来の甘味が支えています。
・アルコール度数も高めで、しっかりした飲み口を楽しめます。

●代表商品
・インドの青鬼
・グランドキリンIPA
・ブリュードッグ パンクIPA
・KONA HANALEI アイランドIPA
・エチゴビール フライングIPA
・Mahou Session IPA

●歴史
・18世紀終わり頃、イギリスではアジア貿易のため、「イギリス東インド会社」がインドに設立され、多くのイギリス人がインドに渡りました。
・その際、ビールも旅のお供として一緒に持ち込もうとしましたが、何分当時は船旅で、イギリスからインドまで半年はかかるため、普段飲んでいるビールだと腐ってしまったそうです。
・そこで、ロンドン在住の醸造家ジョージ・ホジソン氏が殺菌作用のあるホップを多量に加え、アルコール度数を高めたビールを開発し、これがインドへの半年の長旅にも耐えられるビールとして大ヒット。その後はインドのみならず、世界に広がっていきました。

●ペアリング
・ホップの抜きん出た香りと苦味にマッチするのは、肉汁たっぷりの焼肉・ステーキ(脂多めがおすすめです)です。肉の脂と旨味が広がった口内に、IPAの豊かなホップの風味と苦味がよく合います。
・唐揚げやトンカツといったアツアツの揚げ物にも、IPAはよくマッチします。

mahouのsession_ipa

ペールエール

●色
・黄~銅色

●味・風味の特徴
・モルト由来の甘味とホップ由来の苦味・香りが適度に効いている
・ドライな飲み口

●代表商品
・東京クラフト ペールエール
・よなよなビール
・常陸ネストビール ペールエール
・オラホビール キャプテンクロウ エクストラペールエール
・伊勢角屋麦酒 ペールエール

●歴史
・1822年、イギリスのバートン・アポン・トレントにて、事業家のヒュード・オールソップがティーポットで造ったビールがはじまり。
・現地の水はカルシウムなどミネラルを多く含む硬水だったため、ビールの色が従来イギリスで飲まれていた黒褐色のビールと比べて薄い仕上がりになりました。(ですので、ペール(薄い)エール(上面発酵のビール))同時に、ミネラルがホップの苦味を適度に引き出しつつ、甘味をドライに抑えており、バランスのとれた飲み口となっています。
・ペールエールの誕生をきっかけに、バートン・アポン・トレントは世界指折りのビール醸造地域にのし上がりました。
・一方、日本の水は真逆で主にミネラルの少ない軟水ですので、日本でペールエールを作る際はミネラルを水に加えることになります。この手法は上述のバートン・アポン・トレンドにちなみ、「バートナイズ」と呼ばれています。
・日本には、上述のピルスナースタイルと合わせて19世紀末に流入しましたが、上述の通り日本で普及したのはペールエールではなくピルスナースタイルでした。
・というのも、ペールエールはあまり冷やしすぎない10度前後で香りを楽しみながら美味しく飲めるので、キンキンに冷やしたスタイルが好きな日本人にはピルスナーのほうがマッチしたようですね。

●ペアリング
・ホップの香り・苦味が効いていますので、トムヤムクン、グリーンカレーなど香りの強いエスニック料理と合わせると、お互いの良さを引き出し合います。

ブラウンエール

●色
・赤褐色(銅色)

●味・風味の特徴
・モルトの風味が効いており、焦がしキャラメル・ナッツのような香ばしい風味を感じます。
・同じくモルト由来の柔らかな甘味を感じる一方、ホップの苦味はわずかに感じる程度です。
・アルコール度数は4%前後でソフトな飲み口です。

●代表商品
・ニューキャッスル ブラウンエール

●歴史
・褐色のエールビールは古くからありましたが、ブラウンエールとして新たなカテゴリが生まれたのは、上述の代表銘柄である「ニューキャッスル ブラウンエール」がきっかけです。
・1925年、イギリス・工業都市のニューキャッスルでJ・ポーター氏が当時流行していたペールエールへの対抗商品として開発しました。ブリテン島東北部のニューキャッスルは、ホップの生産地(主にブリテン島の南部)から距離があるため、ホップの代替として焙煎したモルトの風味を高めたことで、香ばしい風味のブラウンエールが生まれました。
・香ばしさがありながら穏やかな苦味で飲み飽きしない飲み口は、イギリスの労働者から非常に人気を得たようです。上述のニューキャッスルの銘柄は別名ドッグ・ビールだそう。というのも、イギリス男性が犬の散歩にかこつけてまでパブで飲みたがるビールだから。

●ペアリング
・イギリスで親しまれるビールではありますが、モルトの甘味と香ばしさは、同じく香ばしい醤油の風味が出る肉じゃがや筑前煮などの和風料理とマッチします。
・また、ナッツのような風味は、やはり同じくナッツ系のおつまみ(特に柿ピー)がよく合います。ゴマの香ばしさともシナジーを出しますので、担々麺ともマッチします。

ポーター/スタウト

●色
・非常に濃い茶~黒色

●味・風味の特徴
・グラスの向こう側が全く見えないほどの濃い黒色
・一方で泡立ちは真っ白でクリーミー
・焙煎したモルト由来のコーヒーのような香ばしい風味
・(ポーター)酵母由来のフルーティな香り
・(スタウト)ローストバーレイ(焙煎した発芽させない大麦)由来のはっきりとした苦味(酵母のフルーティさは控えめに感じる程度)

●代表商品
・ギネス エクストラスタウト
・東京ブラック
・エチゴビール スタウト
・アサヒ スタウト

●歴史
・18世紀初頭のロンドンでは、古くなり酸味が強くなったブラウンエールに、新しいブラウンエールとペールエールを足してカサ増しした「スリースレッド」と呼ばれる安価なビールが人気を博していました。
・そんな頃、ロンドンのパブオーナーだったラルフ・ハーウッド氏が、注文のたびに3種類混ぜるのは面倒だということで、初めから醸造所で混ぜ合わせた「エンタイア」(ひとまとめ)として発売し、これまた安く気軽に楽しめるビールとして大人気となりました。
・当初のビール名はエンタイアでしたが、テムズ川の荷運び人(ポーター)に人気だったとか諸説あるようですが、エンタイア=「ポーター」として愛されるようになりました。
・その後、ポーターはお隣のアイルランドでも愛されるようになり、ギネス社により焙煎した麦芽を使用し、香ばしい風味の「スタウト・ポーター」が開発され、大人気となりました。(これが今のポータースタイル)
・イギリスはこの人気を見て、麦芽にかかる税金を重くしたことから、ギネス社は対抗するべく麦芽ではなく発芽前の大麦を焙煎したものに代替しました。そして生まれたのが「ギネス ドライ・スタウト」(これがスタウトスタイル)です。
・その後、アイルランドで19世紀半ばに飢饉が発生し、アメリカをはじめとして世界各国にアイルランド移民が移り住んだことで、ポーター、スタウトスタイルもまた世界中に広がりました。
・ですが、ペールエールやピルスナースタイルなど新しいスタイルが台頭する中で人気は徐々に廃れていきました。
・再度日の目を見始めたのが、1980年代のアメリカにおけるクラフトビールブームで、伝統的なスタイルとして人気を博すようになりました。

●ペアリング
・スタウト、ポーターともに、デミグラスハンバーグやビーフシチューなど、色の濃い煮込み料理ととてもよく合います。
・苦味の強いスタウトの場合、甘いバニラアイスクリームとの相性が抜群です。

タイトルとURLをコピーしました