特徴
・原料に小麦が使われており、小麦のタンパク由来の白みがかった黄色が特徴のベルギーのビールです。
・独特の香りが特徴で、副原料で用いるオレンジピールの柑橘系のフルーティかつコリアンダーのスパイシーな香りが感じられます。
・苦味は抑えられていて、小麦由来の甘味とヨーグルトのような酸味があります。
・ペアリングは、小麦つながりでサンドイッチやパンに合わせると、お互いの小麦の甘みが際立ちます。
・チーズケーキやショートケーキと合わせても、フルーティな風味がケーキの甘さを引き立てるので、おすすめです。
ヒストリー
・原型となるホワイトビールの歴史は非常に古く、1445年、ベルギー・ヒューガルデンの修道士により、東インドから入手したオレンジピール・コリアンダーシードを加えたビールの醸造がはじまりです。
・修道士によって作られる当時のビールは水分・栄養補給の手段だったそう。というのも、修道院はワインビールはもちろんパン作りや製薬、農地開拓まで行う職人集団だったようです。
・1880年頃まで盛んに醸造されていましたが、新興勢(1842年に誕生)であるピルスナースタイルの人気に押されてしまいます。人々が豊かになり食卓も充実していく中で、より食事に合うビールが人気を博したと思われます。
・当地のホワイトビールは副原料でオレンジピールを入れるなど手間もかかることから、醸造所の廃業が増えていき、1957年に最後のトムシン醸造所が閉鎖されました。
・その後、1966年に、トムシン醸造所で勤務経験のあったピエール・セリス氏が、廃業したレモネード工場でホワイトビールの醸造を復活し、村の名前にちなんでヒューデンガルデン・ホワイトとして販売しました。
・これがピルスナー主体のビール市場の中で、古くて新しいカテゴリとして受け入れられ、ベルギーのみならず世界で受け入れられるようになりました。
・1985年に醸造所が火災に遭い、世界的なベルギーのビール会社であるインタブリュー社(現アンハイザー・ブッシュインベブ)に買収されましたが、経営基盤のある企業に買収されたことで、逆にヒューデンガルデン・ホワイトの普及が加速することになりました。